「そっか。友理奈が楽しめたのならよかった。連れてきた甲斐があったよ」
ふわりと優しく微笑んでくれる。
それだけで単純に私の胸が高鳴る。
「冬夜くんも楽しめた?」
私だけはしゃいで冬夜くんを振り回していたなら、申し訳ないから....。
そうならないように気をつけてはいたつもりなんだけど...。
「もちろん。俺も楽しかったよ」
「本当に!?よかったぁ」
これでつまらなかったなんて言われたら、もう立ち直れないかもしれない。
どんなカタチであれ初デートは楽しい思い出にしたいから。
この冬夜くんとの動物園が私の初デートとして刻まれるんだ。
こんなに嬉しいことはない。