「俺の友理奈に何してくれてんのかな?」
その冬夜くんの声は聞いたこともないくらいに低いトーンだった。
そばにいる私が震えあがってしまうくらい。
私に声をかけてきた2人組の男の人達2人は完全に冬夜くんを恐れていた。
それほどまでに冬夜くんは怖い顔をしているのかな。
「俺に殴られるか、今すぐ消えるかどっちかを選ばせてやるよ」
「ヒィッ!...す、すいませんでしたー!」
180度回転して一瞬で去ってしまった。
冬夜くんが本気で怒っているのは私でも分かった。
とりあえずあの人達が去ってくれて、ホッと胸を撫でおろす。
「...ありがとう、冬夜──」
私の発した言葉は最後まで言えなかった。