「.....そろそろお開きにしましょうか」
「あっ美織さん、ちょっと待ってくれますか?」
「いいけど、何かあるの?」
私からも少しでも、感謝を返したいから。
こんなものしか思いつかなかったけど....。
「実は皆さんに手紙を書いてきたんです。読んでもいいですか?」
私からみんなへの感謝の手紙。
ずっと抱えている想いを伝えたいから。
「もちろんよ」
その言葉を聞いて、改めてみんなと向き合う。
あの日からずっと私を育ててくれた黒崎家の皆さんに。
ありがとうとは言えても、本当の感謝は伝えられていなかったと思う。
拙い文章だけど届くように。



