あんなにもプレッシャーがかかる中で、シュートに行ったことを誇るべきだと思う。
シュートを打たなきゃ入れることもはずすことも出来ないから。
羽柴くんは軽くうなずいて、静かに泣いた。
渡したタオルで目を覆いながら。
悔しさ、虚しさ、悲しさ、色んな感情が入り混じってるんだろう。
決められなかったけど、あそこでシュートを放った羽柴くんはヒーローだよ。
部活の大会の試合じゃなく、普通の体育の試合で泣けるまっすぐさ。
きっとこれが本当の羽柴くんなんだ。
体育の授業だからって決して気を抜かずに全力で試合する。
そんな姿を私は本当にカッコいいと思う。
今日の出来事は私と羽柴くんだけの秘密になる。