視線があってしまった以上、私からは離せなくて瞳が交わる。



その時、冬夜くんの口が動いた。



声は遠いから聞こえないけど読唇術みたいに唇の動きで言葉を読む。



〝.....あ・り・が・と・う.....?〟



「....⁉︎」



もしかして、私がシュートの成功を願っていたのバレてる?



声に出してないし、そんな大げさにしていたつもりもないのに?



まさか冬夜くんはついに私の心を読めるエスパーになってしまったのか....。



それだけ言って交わっていた視線は、それた。



色んな意味で心臓のドキドキが鳴り止まないよ。



あんな一生懸命にバスケしてる冬夜くん、見たことなかったから。



今日の冬夜くんの姿は心に刻まなきゃ。