「友理奈ちゃんは知らないだろうね。冬夜がこんなに想っていること」



「知らないだろうね」



俺の気持ちを友理奈に話したことがないから。



友理奈が俺に特別な感情を抱いてくれているのは見ていたら分かる。



だけどそれが俺と同じ気持ちだとは限らない。



今の関係が崩れたら、友理奈はきっと俺とはもう話してくれなくなるだろう。



そんなことにビビっている俺は正真正銘ダサい男。



でも友理奈のことに関してはどうしても慎重になってしまう。



「まぁ図書委員は俺だから安心してよ。変なことにはならないように、俺も注意しておくからさ」



「....頼む」



自分で進む勇気もないくせに、情けないよな....。



「どうして想いあっている2人なのに、すれ違ってしまうんだろうねぇ....」



小さな声でつぶやいた日向の言葉は俺には届かなかった──。



ー冬夜side ENDー