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翌日、私は朝から廊下にいた。


「本当にゴメン」

「…ううん、一樹くんがそういうなら仕方ないよ。
こっちこそ、変なこと頼んでゴメンね?」


ちさちゃんに、一樹からの伝言を伝えた。けど
思ったよりもずっとあっさりしていた。

もっとしつこかったらどうしようかと思ったけど…やっぱり優しいちさちゃんのままだった。


「あ、ううん
それは全然いいんだけど…

…もしかして、ちさちゃんて一樹のこと好きなの…?」


って、私どんだけ直球で聞いてるんだ!!
しかも再会した翌日に…


「…うん。
中学入ったころから、ずっと好きなんだ」


やっぱ、そうだよね。
じゃなきゃ、付き合ってるとか噂流れないもんね…

もしかしたら、2人の仲がいいから、ちさちゃんの友達が勘違いして、それに尾びれがついて広まっちゃっただけかもだしね。


「…なんか、聞いといてなんにも協力できそうになくて、ごめんね」

「ううん、それは全然いいよ!
私ももう少し頑張ってみればいいだけだから!」


ちさちゃんはそういって、笑顔で教室に戻っていった。


…なんか、みんなが言うような感じ、しないけどなぁ…
話してても普通に昔と一緒…とまではいかないけど、話してて違和感は全然ないんだけど…



「おう、お疲れ」

「わぁっ…!!
…て、一樹!驚かせないでよ!」

「別に驚かせたつもりはねぇけど。
階段上がってきたらお前ら話してるの見えたから、終わるの待ってたんだよ」

「あ、そか。
なんかあっさり納得してくれたよ。よかったー」

「…あいつがねぇ。
まぁなんでもいいけど」


一樹はそういって、私の手にパックのリンゴジュースを置いた。


「え、なにこれ」

「ん?一応迷惑かけたから」


ってことは、お礼…?
なんだ、気にかけてくれてたんだ。


「ありがと!」

「おう、こちらこそ」