「冗談。
まぁお前は俺の見た目知らなくても俺に話しかけてきてただろ」

「…まぁ」

「俺のこと異性としての意識が薄いから、楽なんだよな
話してて飽きるわけでもなく、激しく楽しいわけでもなく。

綾那みたいな温度が俺には合ってる」


温度、か。
それはなんとなくわかるなぁ…

私も、一樹と話してて楽しいもん。
でも、激しいなにかがあるわけでもない。

居心地がいい、っていうのかな、こういうの。


「っていうか、男として見られてないのがいいって
それはそれでどうなの」

「前に、適当に仲良くしてたやつがいて
俺がそいつに気があるって勘違いさせて変な噂たてられたことあって

俺はそんな気サラサラなかったのにな」

「うわー、めんど」

「だろ。
だから女はめんどうだなってなってる。

まぁ綾那はそれないからな。
平気な顔して親不在の俺んちにあがるし、遊園地も誘ってくるし。

こいつは俺のこと友達として扱ってるんだなーってのがわかるから」

「……っていうか前から思ってたけど
一樹って私のことお母さんかなにかと勘違いしてない?」

「あー、親な。
それあるかも」

「おい」


でも、この人は恋愛とか面倒な人なんだな…
惚れたりしたらきっと仲良くしてくれなくなるんだろうなぁ…

こんなにイケメンなのに、宝の持ち腐れだなっ