このままここでこんな話してるのもどうかと思った俺は、すぐ近くの公園に入った。


「ごめんね、俺ガキで」

「え、ううん!もとはと言えば私が約束守ろうとしないのが悪いから…」


綾那ちゃんはただつっちーが心配なだけ。
俺が熱出しても心配してくれるって言ってたし…他意なんか、ないもんな。

つっちーを選んでるってわけでも、ないもんな。


「……ううん、俺が悪いの。
俺がつっちーに嫉妬しちゃっただけだから」

「……嫉妬?」

「ん。
…俺今日綾那ちゃんのこと独占したくて今日映画誘ったの。
映画の券もらったってのも嘘。俺が自分で用意したの」

「え?え、なんで…」


なんで、って
ここまで言えばもう、大抵気づいてるでしょ。


「……綾那ちゃんが好きだから」


他に理由なんてない。
男が女の子と2人になりたいなんて、好意なきゃ思わないよ。


「でも綾那ちゃん、俺よりつっちーだから
少しでも俺に興味持ってほしくて、映画誘ったの。
本当は昨日のテスト勉もそうだったんだけど、昨日はつっちーいて失敗しちゃったし、次こそ2人でって思ってたの。

…ま、だから明日でもいいやって思って。
だからつっちーんとこ、行ってあげなよ」

「……え、と…私…」

「あ、返事今じゃなくていいから」

「…え?」

「まだ知り合って1週間だもん。
もっと時間かけて俺のこと知ってってよ。

断るにはまだ早いから!


…だから、今日はもうつっちーんとこ行きなよ」