「いらっしゃいませー」

「うわ、来たかも」

「え、うそ」

「仕方ねぇから会わねぇように出てくか」

「……任せた」

「ってか絶対お前の方が知られてねぇんだから、綾那から出てけよ」

「え、私から?
でも私鍵持ってないからエントランス入れないんだけど」

「俺もすぐ行くから」


一樹がそういうから、私はとりあえずすーっとレジの前を通った。
お菓子のところに、バッチリさっきの女の子が2人いたから、もう気配消してすすーっとね。

…でも、やっぱりマンションには入れないわけで
私はとりあえずマンションの前で一樹を待ったけど
後ろ振り返ったらもう一樹もコンビニを出ていた。


「はぁー…、学校から近いからこういうこともあるのか…」

「だな。
ってか前に上城が俺待ってた時もあそこのコンビニにいたし
さっきの店員も中学ん時の先輩なんだけど、俺が引っ越してきたらあいつもあそこでバイト始めるし、本当うぜぇ」

「え、あの人一樹が好きで一樹に会いたくてあそこでバイトしてんの?」

「らしいよ?直接そう言われたし」

「まじかぁー…やっぱモテる人は違うわ」

「でも綾那といるとこ見せられたし、さっさといなくなればいいのに」

「え、ひどっ」

「女除けになるから助かるわ」


そういって、一樹はエレベーターに乗り込んだ。

女除けって…
あんた友達に利益求めないとか言いながら私にいろんなこと助けられすぎじゃない?ねぇ。
まーたお米研いであげたし、女除けだし。

どうなってんだ、全く。