「うん、わかった。いいよ」

「いいの!?」


あっさり承諾してくれたしょーくんは、宙に浮いていた私の手を握った。


「よろしく」


そう言ってにこりと微笑む君。


ああ、やっぱり“優しい王子様”だ。

今のしょーくん、すっごく優しい顔してる。



「よ、よろしくお願いしますっ!」


あふれる嬉しさに声が弾んで、私もにこりと笑顔を返す。

そうして握手を交した私たちは再び、海を眺めた。


いつ練習するとかどんな曲にしようかなぁとかいろいろな話をしていたら、

ぐううう〜っと盛大な音が聞こえた。


「や、やだなあ!お腹へっちゃったみたい……あははは」

「ふふっ。そういえば起きるの早すぎだったよな」

「だって、目が覚めちゃって」

「そんなに会いたかった?」


どきっ。

数分おきにスマホ見てましたなんて口が裂けても言えない。



「そ、そんなんじゃ……」


ふいっと目を逸らしたけど、ぐいっと身を乗り出して顔を覗き込むしょーくん。