誰かがついてきている……?


振り向こうと思ったが、恐怖で振り向くことも立ち止まることもできなかった。


次第に背中に汗が噴き出してきた。


家まではまだ5分はかかる。


できるだけ早く帰りたいが、ここで走ったら相手に感づかれて追いつかれてしまうかもしれない。


でも、このままだと家までついてこられてしまうかもしれない。


家の電気が消えているから、外からでも誰もいないことはバレてしまう。


あたしが玄関の鍵を開けて逃げ込む間に、相手は追いついて家まで入り込んでくる可能性だってある。


色々な想像を働かせる中、あたしの足は自然と家の手前で曲がっていた。


このまま家に戻ることはできない。


今さらながら1人でいることの恐ろしさを理解した。