家に帰ったら、宿題やお風呂掃除も待っている。


そう思うと気がせいてくるのも当然だった。


早足で歩いていると、不意に人の気配が途切れた。


いつもは行きかっている車も、今日は台数が少ない。


静かな町並みにあたしの足音だけが聞こえてきていて、なんだか心細くなってきた。


と、その時だった。


キュッキュッと、スニーカーを踏むような音が聞こえてきてあたしは足を止めた。


周囲を見回してみても、誰もいない。


自分の靴音とは明らかに違う音がしたのに、勘違いだったんだろうか?


首をかしげつつ、また歩き出す。


今度はハッキリと聞こえてきた。


キュッキュッキュッキュッ。


それはあたしの歩調に合わせたように聞こえてくる。


あたしが歩調を緩めればゆっくりと、速めれば早くなる。