「あたしも、それは不思議だったよ?」


由香里にまで言われてあたしは大きくため息を吐きだした。


希望校が違っていたなんてありえない。


あたしはそこまでドジじゃないし、D判定しか出ないような高校、最初から目指していない。


「きっと敦子はあのシュレッダーで試験結果を裁断したんだよ。だから記憶が塗り替わった!」


「ちょっと蒔絵、本気でそんなこと言ってるの?」


「だって、そうとしか考えられない! 由香里が一瞬にして田丸君の記憶を無くしたのを見たでしょう!?」


「見たけど……」


それでもあたしは納得できなかった。


あたしは自分の記憶を自分で改ざんしたということになる。


でも、そんなことする人いるわけがない。