記憶シュレッダー

「い、今の声はなに!?」


蒔絵が、今度は本気で怖がっている。


「わからない。でも、こっちから聞こえてきたよね」


あたしは恐る恐る足を進める。


そこにあったのは布をかけられた何かだった。


その瞬間、なにか思いだしそうになったが、そのなにかはすぐに記憶の中に隠れてしまった。


なんだろう。


すごく違和感がある。


気持ちの悪さを感じながらも、あたしは布に手をかけて引いていた。


「シュレッダー?」


由香里がそれを覗き込んで言う。


確かに、布の下から現れたのはシュレッダーだ。