記憶シュレッダー

蒔絵も隣りで目を吊り上げて怒っている。


「あたし、もう塾に行けないよ……」


由香里はまた涙をためて言う。


あたしはそんな由香里を両手いっぱい広げて抱きしめた。


相手の女子生徒も男子生徒のことを取られたくなかったのかもしれない。


だけど、やり方が卑怯だった。


由香里の目の前で告白するなんて、OKされるとわかっていたに違いない。


「もう! そんなに泣かないでよ! 今日は3人でパーッと遊んじゃおう、ね!?」


蒔絵が気分を紛らわせるために明るい口調で言う。


「そうだね! あたしの家においでよ!」


今なら家にあたししかいない。


2人が来て騒いでも怒る人はいないのだ。


「ありがとう2人とも」


由香里は涙をぬぐって、ほほ笑んで見せたのだった。