記憶シュレッダー

けれどこれは所詮シュレッダーだ。


紙を切り刻むだけの機械。


そんなものに怯えていてどうするんだろう。


それに、あたしは今この機械にすごく惹かれているのだ。


シュレッダーを初めて見たときに感じた、惹かれる感覚。


体全体が欲している感覚。


その正体を知りたいと感じた。


ゴクリ。


と、知らず生唾を飲み込み、指先がシュレッダーに触れた。


その瞬間ビリビリと痺れるような感覚が脳を突き上げる。


しかしそれは不快な痺れとは違い、恍惚とするような、人間の本心をくすぐるような不思議な感覚だった。


「そっか……嫌な記憶は消せばいいんだ」


あたしは呟く。