記憶シュレッダー

☆☆☆

どれだけ平気な顔をしてみせたって、家にひとりになると途端に寂しさに襲われる。


胸にポッカリと、とても大きな穴が開いてしまったような感覚。


あたしはその穴を忘れるため、帰宅するなりすぐに勉強を始めた。


元々勉強は得意じゃなくて、受験のために始めたようなものだった。


お祖父ちゃんが入院してしまったこともあって、絶対に希望校に受からなければという気持ちが強くなっていた。


じゃないと経済的に家を圧迫することになる。


「よし! がんばるぞ!」


あたしは自分を叱咤してテキストへ視線を向けたのだった。