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翌日目が覚めてキッチンへ降りても、コーヒーの香りはしてこなかった。


寂しさを感じながら1人分の朝食を準備して、家を出る。


こんな沈んだ気分の日に限って、空はよく晴れていた。


昨日の蒸し暑さもどこかへ消えて、今日はサッパリとした夏晴れだ。


「敦子、今日は元気ないけどどうしたの?」


教室で、いつも通りに振舞っていたハズだったのに、さっそく由香里に心配されてしまった。


いくら演技をしてみても、いつも一緒にいる友達をごまかすことはできないみたいだ。


仕方なく、あたしは昨日の出来事を由香里と蒔絵の2人に説明することになった。


「そっか、心配だね……」


話しを聞き終えた由香里が眉を下げて言った。


「うん。大丈夫だとは思うんだけどね」