昼間には感じなかったが、ドアを開けた瞬間冷たい冷気が溢れ出てきたように感じられ、あたしは強く身震いをした。


ゴクリと唾をのみ込み、勢いよくドアを開く。


恐怖心から一瞬きつく目を閉じ、そろそろと開く。


そこには昼間と変わらない様子の部屋があった。


「なにもない……?」


暗闇へ向けて声をかけるが、返答なんてあるはずがない。


やっぱりあたしの勘違いだ。


ホッと胸をなでおろし、あたしは祖父の部屋のドアを閉めたのだった。