あたしは浩太の言葉に頷いた。


「本当は 希望校が違って、D判定だったんだよね?」


「覚えてるのか!?」


その質問にあたしは左右に首を振った。


「ううん。由香里や蒔絵に言われて、そうだったんだって思ってるの」


全員が同じように言うのだから、きっとあたしの記憶の方が誤っているのだろう。


そういう自覚ができてきても、納得はできていなかった。


あたしの記憶にはないものなのだから。


「なにか、病気とかじゃないよな?」


浩太にそう言われて、あたしは祖父の部屋のシュレッダーを思い出した。


「まさか、あたしまたあれを使っちゃったのかな……」