記憶シュレッダー

一瞬で紙が裁断されていく。


それを見ている間にあたしの中から恐怖心がスッと消えていった。


「あれ? あたし、こんなところでなにしてるんだろう?」


最後まで紙が裁断された時、あたしはその場に座り込んで瞬きをした。


「制服のままだし。9時過ぎてるし! もう、お風呂入らなきゃ!」


慌てて祖父の部屋を出て自室へと向かう。


手早く着替えを終えて出てきたタイミングで、玄関のチャイムが鳴った。


「こんな時間に誰だろう?」


そう呟いた瞬間、そういえば浩太が来ることになっていたと思いだした。


でも、どうしてだっけ?


あたしがこんな時間に浩太を家に呼ぶなんてありえない。


ということは、浩太が来たいと言ったんだっけ?


思い出そうとすると記憶にフィルターをかけられているみたいに、思い出すことができない。


「この感覚、前にもあった……?」


「おーい敦子! 大丈夫か!?」


疑問を抱くと同時に玄関の外にいる浩太に声をかけられ、あたしは慌てて鍵をあけたのだった。