記憶シュレッダー

このシュレッダーはまるで生き物だ。


命が宿っているようにしか感じられない。


あたしは両手でシュレッダーを抱きしめていた。


言いようのない愛しい気持ちがこみ上げてくる。


あたしはシュレッダーを強く強く抱きしめる。


「嫌なことはぜ~んぶ消しちゃえばいいんだよ!」


シュレッダーが話しかけてきても、もう驚かなかった。


可愛い子供の声に、ふっと笑ってしまう。


「そうだね。消しちゃえばいいよね?」


あたしはクスクスと笑って白い紙に今日の出来事を書いていく。


マジックで大きく。


男に追いかけられた恐怖をすべてぶちまける。


そしてその紙を躊躇することなくシュレッダーにかけたのだ。