★★★







「…ねえ、兄貴」

「ん?何?」



竜堂が去って、カフェに取り残された俺達。

兄貴と二人で、まだ残ってる飲み物を口にしていたが。

今のやり取りから、兄貴に聞きたいことがあった。



「…今の人、どこ行ったの」



竜堂だって、恐らくなずなとの件に関わっているはずだ。

その内容の欠片だけでも知りたくて、兄貴に探りを入れてみる。

しかし、伺ってみるが、兄貴は顔色を変える様子はない。

…兄貴はどこまで知ってるのか。



「さあ」

「…あの人、何してんの」

「うーん。わからない」

「………」



え。わかんないの。

最後のやり取り。わかっていそうな気がしたんだけど。

…見当違いかな。ガッカリだ。



「伶士」

「…ん?」

「彼は、姫を護りながら悪を倒すヒーローなのだよ」

「………」

「今宵も悪を倒してきて、最後に美味しい酒飲んでめでたしめでたし」



なんだそれは。

わかりづらっ…。