ぜんぶ、しらないふり。






ぐるりと視線を一周させると、ふと、お昼休みに日野くんが座っていた場所に目が行った。


…そういえば、あれは何のプリントだったのだろうか。


立ち上がり、机の上に行きっぱなしになっている冊子に手を伸ばす。




(文化祭…、)




手に取った冊子の1枚目をめくると、文化祭開催に当たっての注意事項のようなものが書かれていた。

ホチキスで止められた紙切れをぱらぱらとめくると、部活動名簿や前年度のクラスごとの売り上げなども書かれている。




暦の上ではまだ5月に差し掛かったばかり。うちの高校の文化祭はテストが終わってすぐーー7月後半に予定されている。

こんなに早いうちから生徒会は動いているなんて大変だなー…と、そんなことを思いプリントをもとの場所に戻す───と。





「盗み見はよくないよ涼風さん」

「、っ」