ぜんぶ、しらないふり。






「昼休みの用件はそれだけなんだけど、さっそく今日の放課後から生徒会の仕事、一緒にやってもらえる?」




次に口を開いたのは北村くんだ。

「大丈夫です」というと、彼は柔らかく笑った。



…いや、本当に顔が良すぎるなぁ、みんな。

話してみた感じ、北村くんと日野くんは裏の顔はないらしい。

初めて北村くんと片岡くんの会話を聞いた時、北村くんも結構腹黒なのかなー…と思っていたけれど、あくまでも二重人格なのは片岡くんだけみたいだ。




ホント、なんでこんな厄介な人と同じ家に帰らなくちゃいけないんだろう。


どうせなら日野くんが北村くんのほうがよかった。


そしたらきっと平和だったし、うっかり唇をうばわれることもなかったんだろうな、と叶わないことを想像してため息が出た。