ぜんぶ、しらないふり。






さっきの質問に時差で答える。


嘘をつくのも面倒だっただけ。
片岡くんの仮面が外れた顔を知っているのならなおさら、隠す必要もないと思った。


私の言葉に、日野くんは「あー…」と、曖昧な返事をする。




「どういう教育したらあんなクズが生まれるんだろう」

「んー…」

「性格ひん曲がってて、泣き顔見たいっていわれて。別に興味はないんだけど、好きでもない女に簡単にキスしちゃうのってどうなのかな。日野くんは片岡くんがそういう人だって知ってるんだよね。いつもこうなのかな、クズ岡…じゃなくて片岡くんって」

「あー…どうだろ。てか、そこまでにしといたほういいかも、」

「や、たしかに顔は良いけど───」




日野くんが「あ」と声を零す。

──直後、両肩にズンッと重みを感じた。









「へー。ずいぶん生意気だね佳都ちゃん」