私は絶対きみのために泣かない。

片岡くんなんかに、私の心の中まで見透かされてたまるか。




ーートモダチ以上コイビト未満、


彼の言ったそれが、これからの私たちの関係の名前だとするならば、私の高校生活は 無縁だった'甘さ'で侵食されてしまうかもしれない。




(キス……って、あんな感覚なんだ)



片岡くんの温度が未だ少しだけ残る唇を噛む。

そんなこころの声は、片岡くんには届かない。