ぜんぶ、しらないふり。

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リビングに戻って、チカさんに「着替えたら来ると思います」なんて言って朝ご飯に手を付ける。

それから5分ほど経った頃ようやく制服姿の片岡くんが降りてきた。



「遅いわよ八樹。佳都ちゃんはちゃんと起きてるのに」

「間に合うからいーの。つかこいつ、起こし方まじで凶暴。おかげで目覚めが最悪」

「ちょ、私のせいにしないでよ」

「いやおまえのせいだろ。朝からデコピンするやつがあるか」

「それは…」



ーーあなたが急にくっついてきたからでしょ

なんて、チカさんの前で言うのは少なからずためらってしまうわけで。




「…それが効果的かと思ったの。されたくなかったら自分で起きればいいだけの話」

「あー、そ」

「仲いいのはいいことだけど、ご飯早く食べちゃいなさいね。私そろそろ仕事行くから、戸締りよろしくね2人とも」