ぜんぶ、しらないふり。






王子と至近距離だろうとドキドキなんかしてやらない。

顔が良いだけで、身体を寄せたら女の子が言うことを聞くと思われても困る。



何度も言うけれど、私は彼に興味はない。

他の女の子だったら鼻血が出ちゃうようなことでも、残念ながら私に効果は無いのだ。


残念だったね、腹黒毒舌クズ野郎くん。




「あー…目覚めた。凶暴過ぎ」

「朝ご飯冷めたら片岡くんのせいだから」

「…めんどくせー」



めんどくさいのはどっち?
悪いのは100で片岡くんだと思う。



「先ご飯食べてるから」

「ご飯のことしか頭にねーのかよ」

「起きなかったら刺すからね」

「怖すぎだろ。起きるっつーの」




今度こそ背を向けて、私は彼の部屋を出た。