ベットの方に手招きされる。


何の用だろう。起きてからじゃダメ?
私ははやく朝ご飯が食べたい。
お腹が空いている。


そんなことを思いながらも仕方なく手招きされた方に向かう。


…っていうか。



「名前で呼んでいいなんて言ってない」

「…ケートちゃん」

「…はあ。もう、なに?用事なら──」



――あとにして、


そう言おうとした時だった。




「ちょ、」


グイっと引っ張られた腕。声を出した時にはもう遅い。
私の身体は、気づいた時には既に片岡くんの方に寄せられていた。



片岡くんの香りが強くなる。
抱きしめられている感覚だった。


…や、近いんだけど。



なにこれ、どんな状況?