「片岡くーん…」
なんて言っても、返事はもちろんない。
私は窓の方へ直行し、勢いよくカーテンを開け、太陽の光を取り込んだ。
「ん…」
「おきて、朝だよ」
「…うるさい」
「遅刻しても知らないよ」
「…あー…、」
「おーきー…ろっ!」
布団をはぎ取ると、片岡くんは眉を顰めて寝返りを打った。
目を閉じていても、寝起きでも、その顔は圧倒的綺麗さを維持したままでかっこいい。
いつもはさらさらの髪の毛に少しだけ寝ぐせがついていて可愛さも共存している。
…って、違う違う。
これはあくまで一般論。
かっこよくても可愛くても、私は揺らいだりしない。