「…クラスメイトのままでいいじゃん」
「一緒に住んでる仲なのにそんな堅い言葉でくくられるのはちょっと」
「なにそれ」
ぜんぜん、意味わかんない。
けれど、面倒事を避けるには断るべきではないのも分かっている。
同居がバレるのと、友達としてやり過ごすのだったら、リスクが少ないのは圧倒的後者だ。
「それと、」
片岡くんが再び口を開く。
「俺は、涼風さんの泣いた顔に興味ある」
ぞわ、ぞわぞわぞわ。
鳥肌が立ち、むずがゆい感覚になる。
「……きもちわるいね」
泣いた顔が見たいって…何言ってるんだ、このひとは。
眉をひそめてそう言えば、片岡くんは「ひでー」と言いながら笑った。