「…わかったから。言わない、約束する」
「信用できねー」
「はあ?もうめんどくさいなぁ、そんなんじゃモテないよ」
いや、モテてるけど。
だってこのひと、二重人格ですからね。
って、そんなことはどうでも良いんだ。
とにかく今は、この腹黒王子との話を終わらせて一刻も早く帰る方法を考えなくてはならない。
そもそも、だ。
何がどうなったら、これまで全く接点のなかった王子の本性に気づいてしまったのか。
どうして、放課後の生徒会室で、私は彼に迫られているのか。
事の発端は、10分前にさかのぼって見てみることにしよう。



