「一緒に住むらしいね、俺ら」
「…なんで?」
「なんでって、決まったことだから」
「や、だから、なんで?」
「…はー、なんでなんでってうっぜー…」
なんで、片岡くんと私が一緒に住むの?
なんで、片岡くんが居候のことを知っているの?
――同い年の息子がいる
ふと、お母さんが言っていたことを思いだす。
…いやいや、え、まさか。
私が来週からお世話になる家って────…
「おまえのこと、来週から俺の家で預かることになってんの。聞いてねーの?」
……最悪だ。
同い年の息子が、猫かぶりまくりで、腹黒で毒舌でクズなナルシストだって知っていたら。
そしたら絶対 お母さんの反対を押し切って一人暮らしを選んだのに。
私、ちゃんと良いコにしていたんだけどなあ。
「仲よくしよーね、涼風さん」
「嫌です……」
……ああ、神さま。
これは一体どんな仕打ちですか?