「愛とか恋とか、あんま興味ない。俺が楽しければいいっていうか」
「最低だね」
「女の子、優しくすると俺のこと好きになっちゃうでしょ。ホント、安っぽいと思わない?」
「ホント、最低だね」
「涼風さんは俺のこと絶対好きにならなそう。だから素で話してる…あ、これ忠告ね。好きになられたら冷める」
「まあ、絶対ならないから安心して」
「で、その大荷物は来週の居候の準備物?」
最低なことばかりつらつらと吐き出す片岡くんの話をばっさり切りながら聞いていた私に、彼は意味のわからない言葉を投げかけた。
「……はい?」
…いや、日本語の意味はわかる。
本当に分からないのは、言葉の意味ではない。



