「勉強、全然集中できてないんじゃない?」



ふっ、と軽く笑われる。


誰のせいだと思ってるんだ。片岡くんの距離が無駄に近いから、きみを意識せざるを得ないんじゃないか。



「…、だれの、」

「俺だね。俺のせい」

「わかってるなら…っ、」

「うん、かわいーね」




ぜんぜん反省してない。むしろ、私の反応をみて完全に楽しんでいる。



耳を撫でられているだけなのにその手つきがやけにいやらしく感じてしまう。

バカにしたように笑う顔さえもかっこよくて、もうホント、……どうしたらいいんだ私は。