そっと触れるだけのキスをする。
一瞬で唇を離すと、「ふ」って笑われた。
…人の渾身のキスを笑うなんてサイテーだ。
「おはよ佳都ちゃん」
「…おはよ」
約束通り、私のキスで起きた片岡くんが柔らかく笑う。
ぎゅっともう一度抱きしめられ高と思ったら、耳元で「今日もかわいかった」って言うものだから、不意打ちで死んでしまうかと思った。
「最近さ、ツンとデレの割合が5:5になってきてない?」
「なってないしデレてないしそもそもツンツンしてない」
「はいはい」
「また適当に…───っ、」
言葉ごと呑み込むように唇を塞がれた。
ずるい。
もう、ぜんぶずるい。
どうしたらいいんだろう。



