布団から離した手をベッドに付ける。
ぎし…とベッドが軋んだ。



「良い子」

「っ、うるさい」



片岡くんの身体に覆いかぶさるような形で ぎゅっと抱きしめられる。


バクバクと音立てる心臓。
こんなに近い距離じゃ音伝わっちゃうだろうな、恥ずかしいな…って思った矢先。



「心臓、バクハツするんじゃない?」

「な…っ」



片岡くんの意地悪な部分だ。
口に出されたら恥ずかしいことをぜんぶ言う。

余裕そうに口角をあげて笑うのもずるいよ。



むかつく。どきどきしたくない。

毎朝のことなのに、ぜんぜん慣れないんだ。