──私の朝の日課。
「起きて片岡くん」
「…目覚めのキスは」
「あるわけないでしょ」
「だよねー…」
「ちょ、寝ないで!おきろ!」
布団をかぶろうとする片岡くん。
そうはさせまいと、私も負けじと布団を引っ張る。
「、怪力」
「私の朝ごはんが冷めるの」
「食欲オーセーだね」
食欲も握力も人並みなんですが。
毎朝全く同じやり取りをしているというのに、片岡くんはぜんぜん学習してくれない。
「佳都ちゃんがちゅーしてくれたら起きる」
「、しないってば」
「じゃあおやすみ。こうしてる間にもご飯はどんどん冷めてくんだよね、おつかれー」
──そして、学習しないのは私も同じだ。