ぜんぶ、しらないふり。





「もー、まじで邪魔すんなよおまえら。俺は佳都ちゃんと2人がよかったのに」

「な、…」



なんて恥ずかしいことを言うんだ。

たしかに、文化祭を一緒に回れなかった分 後夜祭くらいは2人きりになれたらな…なんて思ったりもするけど。


でも、日野くんやメイナたちと話す時間も嫌いではないし───…




「うん。涼風さんもそんな顔してるし、俺らそろそろ行くわ」

「えっ」

「佳都、あんたホントかわいいんだけど」

「え、」

「じゃーお幸せにな、2人ともー」




まともな言葉を発する暇もなく背を向けて行ってしまった3人。


そんな顔?かわいい?

って、何が、どこがですか。



唖然とする私の左手に、再び片岡くんの温度が重なった。