「え。なにか変わった?」
「雰囲気がぜんぜん違う。日野くんどう思う?」
「…うん。多分、涼風さんのおかげなんだろうな。あいつが素で居られるようになったのも」
次々に空に上がる花火を見上げながらそう言った日野くん。
片岡くんが素で居られる場所。
その言葉に、いつかの片岡くんに聞きそびれたことを思いだした。
――仕事もちゃんとしないし、面倒ごとが嫌いなくせに、片岡くんはどうして生徒会にいるんだろう。
それは多分、片岡くんにとって呼吸がしやすい場所だったからなのだとなんとなく思った。
仮面をかぶらなくてもいい場所。
素のままでいられる時間。
それが、片岡くんが生徒会にいる理由だったんじゃないかって。



