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そんなこんなで、それぞれ注文したパンケーキとドリンクが運ばれてきてからも、片岡くんがこちらに気づく様子はなかった。
「会話、あんま聞こえないね」
「聞かなくていいよ」
「えー、せっかく休日の王子に密着できると思ったのに」
「密着はしてないでしょ…」
会話してる声が小さいのか、何か話しているのはわかっても、内容までは聞き取れなかった。
メイナががっくりと肩を落としている。
「王子の彼女、うちの学校の人かなぁ」
「さあ」
「ホント、王子にも興味湧かない逆にすごいわ佳都」
片岡くんは王子じゃないですよー。
みんな騙されてるだけですよー。
私は全然興味ないけどー。
なんて、それは声には出さず、代わりに適当な笑顔を返すと、「ああ、そういえば佳都って笑うんだっけ」とめちゃくちゃ失礼なことを言われた。
未だに私に血が流れていないとでも思っているのか。



