頭の中は片岡くんのことでいっぱいだ。


やっぱりどうしようもないくらい好きだとか、
この温度が忘れられないだとか、
もっと名前を呼んでほしいとか。


私、相当きもちわるい女かもしれない。




「ケートちゃんさー…」

「、うん」

「俺がこの1週間どんなきもちでいたかわかる?」




今、彼はどんな顔をしているのだろう。



声色だけではわからない。
怒ってる?嘲笑っている?

それとも───





「まじで、…苦しくて死ぬかと思ったんだけど」





私の頬に手を伸ばした、むにっと頬をつまんだ片岡くん。


無理やり顔を上げられる。

視界に映った片岡くんは、拗ねたような、少しだけ照れたような、そんな複雑な表情を浮かべていた。