どきどきと心臓が騒ぎ出す。
緊張と恥ずかしさで目を逸らしたくなる。


こうやって片岡くんに助けてもらうのは2回目。
あの時も生徒会室で抱きしめてもらったんだ。




片岡くんの本性を知ってしまったのも、
毎日のように一緒に仕事をしたのも、
甘さを含んだキスをしたのも、

ぜんぶこの生徒会室だった。



思いだされる思い出のどれもが片岡くんと共有した時間で、片岡くんがどれだけ私の中で大きくて不可欠な存在になっていたかを実感するには十分すぎる記憶だ。



「…、片岡くん」

「ん」

「…、ありがとう」

「うん」

「…あの、あのね」