「ほんっと…ほっといたらすぐ悪い奴に捕まんのやめろよ」
トイレの前だったということもあり、半ば強制的に生徒会室に連行された。
椅子に座った私に、片岡くんは はぁとため息をつきながらそう言った。
「わた、…私のせいじゃ、」
「うん、そーだね。でも俺はすっげー胸糞が悪いよ」
「、…ごめんなさい」
ぎゅっと抱きしめられる。
言葉からは怒っていることが伝わるのに、それとは裏腹に 私を包み込む温度はひどく優しくて泣きそうになってしまった。
「…片岡くん」
少しだけ身体を離した片岡くんと視線が交わった。
優しい声で名前を呼ばれるのも、ちゃんと目を合わせるのも1週間ぶりだ。