「はい、できた」
「…私のツインテール、イタくない?」
「“いつもと違う自分”で勝負してみたら?っていう気持ちを込めてみた。あと普通に“幼稚園児”がコンセプトだからってのもある」
「そうですか…」
鏡にうつるツインテールの自分。
いつもと違う自分…かぁ。
メイナはもう、きっとこころの底から呆れている。
それでもこの1週間、私と片岡くんの関係を心配してくれていて、ことあるごとに背中を押そうとしてくれる。
“一歩”が踏み出せないのは、私の勇気の問題だ。
いつまでも怖がっていられないのは分かっている。
ちゃんと言葉にしないとなにも伝わらないことも分かってるんだ。
もう、逃げてばっかじゃいられない。