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「大体ぜんぶ買い終わった?」

「うん。ひとまず大丈夫かな。ありがとメイナ」

「お礼ならパンケーキで」

「了解」



メイナは大の甘党で、私の都合に付き合ってくれた時はいつもカフェに寄ってメイナの食べたいものをごちそうするという決まりになっている。


どうやら今日はパンケーキが食べたい日らしい。

メイナの要望を受け、私たちはショッピングモール内にあるカフェに向かうことにした。



───その、途中。



「ねえ、あれ王子じゃない?」

「え?」

「ほら、あそこ……え、同じカフェ入ろうとしてるじゃん、ラッキー」




メイナの視線が向けられた先。

洒落た外観のカフェの看板の前に立つ、ミルクティーベージュのふわふわの髪をなびかせた小柄な女の子──の、隣。


そこには確かに“腹黒毒舌野郎”の姿があった。