ぜんぶ、しらないふり。





…どんな顔して会えばいいんだ。


片岡くんからしたらなんのこっちゃって問題かもしれないけれど、さっきの光景を見てから頭の中はそればっかりで、片岡くんと目を合わせるのが怖かった。



「熱あんの?」

「ない、から、平気だから、」

「佳都ちゃん なんか変じゃない?」




ーー変なのはあなたのせいです

なんて言えるはずもなく、「そんなことない…」とバレバレの嘘をつくしかなくて情けなくなる。




「なに、どうしたの」

「なんでもないから…ってか近い…!」

「近いって、別にいつもと変わんないでしょ。なに、俺のこと避けたいわけ?」



ギシ…とベッドか軋む。

片岡くんの言葉が図星で ほんの少し肩が揺れた。