ぜんぶ、しらないふり。


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――コンコンコン、



ドアをノックする音でパッと目を覚ました。


部屋の中は真っ暗だ。
あのまま本当に寝てしまったらしい。



チカさんだろうか。ごしごしと目をこすり、「はぁー…い」と、ノックに対して返事をする。


かちゃ…と控えめに音を立ててあいたドア。




「体調、もう平気?」




そこから顔をのぞかせた片岡くんの姿に、驚いてその場に固まってしまう。



「っ、た、立ち入り禁止…っ」

「え、なんで」

「なんとなくっ」

「理由になってないから却下」




パチ、と電気をつけられる。

私の願いもむなしく部屋に入ってきた片岡くんがベットに腰掛けた。